文字:
20150106_0
- 2015/01/06◥
- SYSTEM◥
- 20:36:43
- ユイット様が入室しました。
- TOPIC◥
- 20:37:00
- オルヴァン某所・ユイットの部屋 by ユイット
- ユイット◥
- 20:38:21
- カーテンの隙間から差し込む日の光が眩しく、部屋の中を照らす。時刻は朝を通り越し、昼が近いのだろう
- 20:39:13
- 「………」
- 20:39:37
- 夢を見て、泣きながら 目が覚めた。自分の手が、天井へ向かって伸ばされているのが見える。
- 20:39:46
- 何かを掴もうとして、掴めなくて。行き場のない手。
- 20:40:04
- 「・・・あ」 所在のないそれを数秒ぼんやりと眺めてから、自分が夢の中ではない 現実にいるということに気がついた。
- 20:40:38
- 「・・・ゆめ・・・」 ゆっくりと手をベッドの上へと戻し、上体を起こす。
- 20:41:00
- あの戦いから数ヶ月。 ここのところ、あの時の事を夢に見る回数も少なくなって来ていたのだけど―…
- 20:41:10
- なんてぼんやりと考えながら、のそりとベッドから立ち上がる。
- 20:41:23
- にょろりと毛布から出てくる下半身は蛇だ。
- 20:41:45
- 人化していられる時間は限られていて、昼にその時間を使うためには、何処か別の時間を元の姿で過ごさないといけないわけで
- 20:41:58
- たいていの場合、睡眠時間にそれを当てる。そんな暮らし。オルヴァンに来てからはずっとそうだ。
- 20:42:18
- 「…ふぁ」小さく欠伸を零す。目元が少し、ひりひりする。鏡を見たら、きっと酷い顔だろう。
- 20:43:11
- 棚の方へ視線を向けると、若干のグロテスクさを感じさせるデザインのぬいぐるみが呑気な様子でこちらを見ているのと目があったりする
- 20:43:51
- 「……アクイラさん」
- 20:43:56
- ぬいぐるみの所持者で作成者だった 今は亡き彼女のことを思い出すと、つい 涙腺が緩んでしまう。
- 20:44:14
- けれど 思い出す顔は、不思議といつも得意げな笑顔ばかりだ。
- 20:44:26
- 思い出を美化しているのかな?なんて思わなくもないのだけど、決まって笑顔なのだから仕方ない。
- 20:44:42
- 「…振り回されることの方が、多かった気がするのですけど、ね…」
- 20:44:57
- 一緒に仕事をしたときのこと、酒場でお喋りをしたときのこと、名誉人族の受賞式のときのこと―…
- 20:45:13
- 一つひとつ思い返して。自分の表情が、少しだけ綻んでいるのに気がつく。
- 20:45:23
- 戦いはいつだって熾烈で、つらいことも多かったはずなのに、楽しかったことばかり思い出すのだ。
- 20:46:07
- 「…」 軽く指先で自分の髪を弄ぶ。
- 20:46:10
- それも、彼女と 彼女を失った痛みが 自分の中で少しずつ思い出に変わっていっている証だろうか。
- 20:46:20
- そう思うと、自分の薄情さに 少なからずの苛立ちと嫌悪感を抱いたりもするのだけど。
- 20:46:39
- それでも。いつまでも 悲しい悲しい辛い辛いと嘆くことを 彼女が望んでいるはずもない そんな確信があるのも確かだった。
- 20:46:51
- 「…(こんな風に思うのも、自己弁護なんでしょうか、ね)」
- 20:47:12
- 返事なんて返ってこない問答。
- 20:47:34
- 服を着て、髪を櫛で梳かし、化粧を施し。鏡に向かい、身支度を整えながら ぼんやりと自問自答を繰り返す。
- 20:47:47
- すっかり手馴れた化粧の腕で、目元の涙跡なんて綺麗に隠れてしまって
- 20:47:57
- あっという間に今日も見慣れた女の顔が鏡の向こう側に現れる。
- 20:48:12
- にこっと笑ってみれば、いつも通りの"わたし"と言う奴だ。
- 20:48:53
- どんなに辛くても、悲しくても 朝が来ればまた新しい今日が始まる。
- 20:49:02
- たとえ、誰かが居なくなっても 世界は巡る。
- 20:49:11
- それはとても寂しくて 悲しくて やりきれないことでもあるけれど
- 20:49:21
- ゆっくりと、ゆっくりと それも当たり前になっていく。
- 20:49:29
- いつか、自分も そうやって世界から消えていくんだろう。
- 20:49:44
- それはきっと残酷で、優しい世界の理だ。
- 20:49:57
- 「…」
- 20:50:05
- ふと気がついた鏡に映る自分の表情は、泣きそうなのか半笑いなのかもわからない歪な顔をしていた。
- 20:50:14
- 「…いつまでも こんな変な顔してたらダメですよね…」
- 20:50:23
- ふるふると首を左右に振ってから、無理やりにでも笑って。軽く、自分の頬を叩いた。
- 20:50:42
- こんな姿を見たら、彼女はなんていうのだろう?
- 20:50:57
- そんな風に自分を鼓舞するくらいは許して貰えるといいな なんて自分に言い訳しながら 今日もまた、一日が始まる。
- 20:51:10
- 「…行ってきますね」
- 20:51:21
- 部屋を出る前に、一度だけぬいぐるみを振り返ると、そう 精一杯の笑みを向けて。
- 20:51:42
-
- 20:51:43
-
- 20:51:44
-
- SYSTEM◥
- 20:51:47
- ユイット様が退室しました。
- ◥
-