GMを行うにあたって
オリジナルアイテム作成について †
フリーセッション制を敷いている当サイトでは、一定の参加者でセッションを行う環境に比べ、各キャラクター間のバランスに配慮する必要が出てきます。
その中でも特に問題となりやすいのが、各GMオリジナルのアイテムです。
例えば、「そんなに強くないだろう」と思って出したアイテムが思わぬ使われ方でバランスを崩したり、試しに作ってみたアイテムの影響度が判断できなかったり、不慣れなGMには難しい部分でもあります。
そこで、以下に簡単な目安を示しておきます。絶対遵守というわけではありませんが、格差は小さい方がPLとしてもGMとしても楽しめるはずですから。
また原則として、ルールブックに掲載されているのと同等の(あるいはそれ以上の)効果は避けるようにしてください。
名称の異なるアイテムは効果が重複してしまうため、例え「+1」程度のボーナスでも、累積することで大変な格差を生みかねません。
そしてもし、複数のGMから偶然、同じ効果で装備可能部位の異なるアイテムを受け取ってしまったら……できれば、そのPCは「とある事情から」同時に装備しないよう心懸けてください。それは、危険を感じて封印するのでも、同志や恋人に譲るのでも構いません。
装備品全般に言えることですが、強力すぎる効果、前例のない効果は時としてセッションバランスを崩壊させます。それについての指摘があった際は、妥協点を見出し、改良しましょう。
武器 †
それぞれ近接武器リスト、飛び道具リストを参照し、そこに見られるランクと武器性能の比例関係を守るようにしてください。
また、カテゴリ〈格闘〉の武器は、ルールブックに掲載されている武器(ランクごと)よりも必要筋力が高くなることのないよう、注意してください。
ルールブックにおけるバランスを壊すもの(たとえばフレイルのクリティカル値に、ウォーハンマーのレーティング、メイスの命中をかねそろえたソード、等は明らかに範囲を逸脱したモノ)においては、周囲参加者も指摘し、警告を推奨します。
ランクの高さに比例して効果も強くなる、という形が適切です。
また、混乱を避ける意味でも、1つのアイテムの効果は1つにまとめるのがスマートでしょう。
例えば、一定の条件を満たすことで「追加ダメージ+X」のボーナスを得られる効果なら、Bランク:+1、Aランク:+2、Sランク:+3、SSランク:+5、といったところでしょう。
ルールブックに掲載されている魔法などと似たような効果であれば、Bランク:1レベル以下、Aランク:3レベル以下、Sランク:5レベル以下、SSランク:11レベル以下、というのが目安でしょう。
無条件で効果を発揮させたい場合は、効果の強さ自体を下方修正するのが妥当です。
ただし実地では、この要件を満たせば何でもOKというわけではなく、よく効果を玩味すべきなのは言うまでもありません。慣れない内は控えめ控えめに設定するのが無難でしょう。
特に、命中力やクリティカル値へのボーナスは、ゲームバランスへの影響度が大きいため、よほど上手く調整しないと危険です。
なお、原則として〈魔法の武器+X〉加工によって得られるボーナスは、「+1」を上限とします。「+2」以上の武器は存在はしていても、PCの手元に残る事のないように留意してください。
最後に、防護点を無視する(抵抗の余地なく魔法ダメージを与える)効果は全面的に禁止とします。こうした効果は〈斬鉄剣〉が唯一だと思ってください。
防具 †
- 防具データ自体の自作
防具リストを参照し、同じカテゴリの同じランクとでバランスを取ることが肝要です。
特に「回避力修正」は、〈盾〉:+1、〈非金属鎧〉:+1、〈金属鎧〉:±0、これが「最大」だと考えるべきです。Sランク以上のグラップラー専用〈非金属鎧〉のみ、「+2」が認められます。
この条件は、魔法の防具であっても同様です。
- 特別な効果を持つ防具
何と言っても「防具」ですから、防御的な効果を付加するのが望ましいです。
その上で、強い効果ほど高いランクを要求されるのは、武器と同様です。
魔法ダメージを軽減する効果なら、Aランクで-1、Sランクで-2、SSランクでも-3くらいが妥当でしょう。Bランクで溢れさせるのは大変危険です。
加えて、軽減効果は鎧だけに留めておき、できるだけ盾には付与しない方が無難です。SSで-3が重なったらあっさり-6ですし、ますます2H武器の立場がなくなります。
また基本的に、ルールブックに掲載されている魔法の防具は無視してください。ぶっちゃけ強力すぎます(笑)。
装飾品 †
戦闘中の判定にボーナスを与える装飾品は、条件付きで「+1」程度が妥当でしょう。
ただし、命中力・回避力・行使判定などへのボーナスは、武器・防具に譲ることをお勧めします。
例:〈サーマルマント〉〈水晶の首飾り〉〈熊の爪〉
戦闘以外の場面で行う判定にボーナスを与える装飾品は、1種類(切っても切れない関係なら2種類)の判定に「+1~2」程度が妥当でしょう。
例:〈ひらめき眼鏡〉〈キングロバーの指輪〉〈猟犬の鼻〉
破壊することで瞬間的に大きな効果を得られる使い捨ての装飾品は、上記の2倍程度のボーナスを与えても問題ないでしょう。
例:〈陽光の指輪〉〈月光の指輪〉〈薔薇のチョーカー〉
基本的には、ルールブックに掲載されているアイテムの効果をアレンジするのがベターです。効果の大きさが、それらと同等程度になるように。
また、ボーナスを与える判定に見合った「装備可能部位」を設定することで、複数のGMが同じ効果の装飾品を出しても効果の重複を避けやすくなります。装備部位:その他を活用しての重複は「プレイヤーが工夫する余地」だとして。
以下は、ルールブックに見られる、部位ごとの効果の傾向です。参考材料にしてください。
頭:知識関係
顔:視覚・味覚・嗅覚や発声関係
耳:聴覚関係
首:抵抗力関係や護符的な効果
手:攻撃関係や比較的便利な効果
背中:限定的な防御効果
腰:汎用的な防御効果やペナルティ軽減
足:敏捷度判定や移動関係
また、成長操作系(勇者の証等)のアイテムは、フリーセッションサイトという形式上、好ましくないアイテムになります。
制限を厳しくしても、それは換わらないものになりますので使い捨てであろうと現存させないようにお願いいたします。
その他 †
武器でも防具でも装飾品でもない、ルール上の所持数制限が存在しないマジックアイテムは、いくら「使い捨て」とはいえ、あまり強力な効果は望ましくありません。
「戦闘用アイテムの準備数制限」の制定によって多少は緩和されましたが、それでも「なんでもアリ」ではありません。