Top > “奈落都市”キザルゲレス詳細

こちらは公式設定のページです。
各GMで追加した設定に関しては“奈落都市”キザルゲレス追加を御覧ください。

目次

概要

蛮族による巨大な地下都市です。様々な種の蛮族が混在しており、治世は常に混沌としています。
魔動機文明時代から存在していますが、統一されたことは過去に二度しかありません。
一度目は「大破局」の際です。二度目は、この都市が“奈落都市”と呼ばれる所以となった「黒竜戦役」の際です。

「黒竜戦役」と「奈落」

この都市は百年前に“黒竜王”と呼ばれる強大な蛮族によって統一され、人族に対して大規模な侵攻を仕掛けました。これが「黒竜戦役」です。
しかし、この大侵攻はその戦力規模の大きさとは裏腹に、意外にもあっけなく終結しました。
“銀の籠手の乙女”と呼ばれる一人の英雄が“黒竜王”に一騎打ちを挑み、見事に打ち倒したからです。
この時に“銀の籠手の乙女”が振るった神剣により穿たれた大穴が、現在の「奈落」です。

奈落都市の構造

kizuargueleth_map1.png
kizuargueleth_map2.png

奈落

百年前に神剣の直撃を受けたことによって空いた大穴です。
地上から都市を貫通して地下深くまで伸びており、これによって、キザルゲレスの本都は中心が空洞のドーナツのような構造になっています。
奈落の深い部分は暗視でも見通すことができない闇に包まれており、最深部がどうなっているのかは分かっていません。
一説には、最深部にはかつての指導者である“黒竜王”が、今も神剣の力によって束縛されているともいわれています。

本都

「奈落」が貫通している中央都市部は「本都」と呼ばれています。
都市とはいっても、治安は最悪です。通りや広場には食人レストランや奴隷市場などが並び、そこにはまともな経済はなく、力によって全てが押し通されています。
蛮族同士の抗争も日常茶飯事です。

地下網

本都からは無数のトンネルが伸びており、広大な地下網を形成しています。
複雑に分岐するトンネルの中に無数の妖魔が潜んでいます。地上への出入口も無数にあり、地上へ出て害をもたらす妖魔が絶えません。
こうした妖魔たちは、地上から人族を「調達」し、本都や周都に供給するのが仕事です。

周都

地下網の中には所々に広い空間があり、小規模な都市が存在しています。これらの小都市群を、本都に対して「周都」と呼びます。
本都に比べると、ある程度同種の蛮族でまとまっており、支配体制が確立している傾向があります。
とはいえ、周都同士の抗争も絶えないため、やはり安全とは言えません。

奴隷村

地上にある人族の村で、蛮族に完全に支配されているものです。
キゲルゲレスの勢力圏内には、こうした奴隷村が数十とあると考えられています。

死村

闘争と略奪によって全滅し、アンデッドの巣窟となってしまった村は「死村」と呼ばれます。
これらの村には蛮族も寄り付きません。偶に、ダルクレム神殿の者が「浄化」を試みに来る程度です(彼らもアンデッドを嫌っていますが、腕試しの意味で来る者もいます――そもそも、彼らも死村を作っている側であり、その態度は同じダルクレム神殿でも派閥によって異なります)。
中には、スキュラなどが率いる「アンデッドを容認する勢力」の拠点となっている死村もあります。

支配体制

キザルゲレス内部には複数の指導者による、大小数え切れないほどの蛮族勢力が存在しており、日々争いを繰り返しています。
指導者たちは都市に暮らす蛮族や地下網の妖魔たちを配下に引き入れ、地上の人族から略奪を行いつつ、隙あらば他の指導者を蹴落とそうと活動しています。
GMはこれらの勢力を自由に創造することができます。以下に例を挙げます。

宗派勢力

ダルクレム神殿、ブラグザバス神殿など、宗派がひとつの勢力を形成している例です。
この場合、その勢力の理念はそのまま教義に繋がっています。
教義の解釈の仕方によってさらに細分化する場合もあります。ダルクレム系保守派勢力、ブラグザバス系過激派勢力などといった呼ばれ方をします。

種族勢力

ワーウルフ、フォルミカなど、種族がひとつの勢力を形成している例です。
基本的には、特に人族に敵対しているというよりも、自らの種族を増やし繁栄させることに注力しています。
混沌とした本都よりも、地上や地下網の一画(周都)などに拠点を置いていることが多いでしょう。

人族との関わり方

人族とどのように関わるかという思想も勢力を分ける一因になります。
例えば、略奪ではなく、人族を効率良く飼う、すなわち人間牧場を持つのが理想的だという考え方もあります。
人族とは距離を置き、独立的であるべきだという考え方もあるでしょう。

その他の勢力

蛮族の中にも懐古主義者というのはいます。例えば、奈落に落ちたかつての「王」を復活させることを目標とする勢力などです。
また、上記のいずれにも属さず、ただ地下で享楽的に暮らすことだけを望む蛮族というのは、いつの時代も一定数はいます。

キザルゲレスの重要人物

キザルゲレスに「公式に」設定されているキャラクターは下記の二人だけで、どちらも現在では消息不明です。
現在のキザルゲレスに関わるNPCは、各GMが自由に設定して構いません。

“黒竜王”ジェノス

百年前、キザルゲレスを統一し、人族に対して大規模な侵攻(黒竜戦役)を仕掛けた蛮族です。
しかし、この大侵攻はその戦力規模とは裏腹に、意外にもあっけなく終結しました。“銀の籠手の乙女”がキザルゲレス上空にて、竜へと変じたジェノスに一騎打ちを挑み、見事に打ち倒したからです。
この決戦の結果として生じたのが「奈落」です。ジェノスの亡骸は、今も自らの魔剣と共に「奈落」の底に封印されているといわれています。

“銀の籠手の乙女”ラサ

神剣を以てジェノスを打ち倒し、黒竜戦役を終結させたといわれる英雄です。
詩篇『銀の籠手』の中に唐突に現れる剣士で、出自は一切分かっていません。ジェノスと決戦する以前の記録は何処にもなく、また、決戦後に何処へ消えたのかも不明です。
そもそも、彼女が何故“銀の籠手の乙女”と呼ばれているのかも分かっていません(彼女が所持していた神剣の銘なのではないかともいわれています)。
キザルゲレスの古参の蛮族たちは、彼女がキザルゲレス内部の者(奴隷人族、或いはナイトメア)だったことを仄めかしています。
ただ、彼女について語ることはタブーとされているらしく、詳細を口にする者はいません。

その他の設定

詩篇『銀の籠手』

「おお、見よ! 銀の籠手のラサが神の剣を振り上げ、黒き竜へと向かってゆく!」

黒竜戦役の顛末を描いた詩篇です。吟遊詩人たちによって歌われているものにはいくつかのバリエーションがありますが、原文と思われるものはミラボア王国のキルヒア神殿に保管されており、黒竜戦役の詳細を現在に伝える貴重な資料となっています。
原文はリーゼン地方語で、作者は不明です。キザルゲレス内部の詳細な描写があることから、キザルゲレスに囚われていた奴隷人族の手による作品ではないかと考えられています。
他の資料では、黒竜戦役の結末は「謎の閃光と爆発によりキザルゲレスが崩落した」とありますが、この詩篇の中では「“銀の籠手の乙女”が神剣を振るい“黒竜王”を打ち倒した」とされています。

「キザルゲレス」という表記

原語は妖魔語で「血を飲む場所」を意味する「キズァァグェレス」です。ドレイク語だと「キザーグレス」、トロール語だと「ギザンゲレス」に近くなります。
ミラボア王国発行のリーゼン地方地図では、魔動機文明時代の資料に基づく「ギザルゲレス」の表記が採用されています。
ただし、詩篇『銀の籠手』の中では「キザルゲレス」とされており、一般的にはこちらの呼称の方が使われています。


添付ファイル: filekizuargueleth_map2.png 211件 [詳細] filekizuargueleth_map1.png 331件 [詳細]

リロード   新規 下位ページ作成 編集 凍結 差分 添付 コピー 名前変更   ホーム 一覧 検索 最終更新 バックアップ リンク元   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: Sat, 17 Aug 2013 17:01:48 JST (3928d)